三菱化学が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成の下で、スリーエムジャパンと協力して仙台国際センターの渡り廊下で進めていた窓用フィルムの実証実験の様子。(写真:三菱化学)
三菱化学が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成の下で、スリーエムジャパンと協力して仙台国際センターの渡り廊下で進めていた窓用フィルムの実証実験の様子。(写真:三菱化学)
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 三菱化学は、同社が開発していた有機薄膜太陽電池を2016年に出荷すると発表した。製品は半透明のフィルム状で、合わせガラスの間に挟む、またはガラス窓に貼り付ける形で利用するとみられる。

 変換効率は約3%。製品としての耐久性は明らかにしてないが、三菱化学による研究開発での目標値は、合わせガラスに挟んで利用した場合に約10年、フィルム単体での利用では約5年としていたとする。耐久性のさらなる向上は今後も開発のテーマとしており、「フィルムも10年以上にするのが目標」(同社)という。

 製品化に当たっては、米3M社と提携。3M社の日本法人スリーエムジャパンがビルの窓への施工などを担当するという。

 製品の価格は未定とするが、発売当初は本誌推定で1m2のフィルムが1万円超~2万円になる見通し。これは遮熱や紫外線の遮蔽用に発売されている窓ガラス用フィルムと同水準である。三菱化学は、量産によって価格を1/2~1/3に下げていく方針だという。