理化学研究所の「Shobu(菖蒲)」(写真:PEZY Computing)
理化学研究所の「Shobu(菖蒲)」(写真:PEZY Computing)
[画像のクリックで拡大表示]

 米国時間の2015年7月31日に発表された、スーパーコンピューターの単位消費電力当たりの演算性能ランキング「Green500」で、日本のベンチャー企業、PEZYグループが開発したスパコンが1~3位を独占した(発表資料)。1位になったのは、同グループが理化学研究所に納入した「Shoubu(菖蒲)」(関連記事1)で、7031.58MFLOPS/Wを記録。7GFLOPS/Wを超える初めてのスパコンになった。

 2位の「Suiren Blue(青睡蓮)」と3位の「Suiren(睡蓮)」はいずれも高エネルギー加速器研究機構に納入したもので、それぞれ6842.31MFLOPS/W、6217.04MFLOPS/Wだった。後者は2014年11月発表の前回のGreen500で2位に入った機種である(関連記事2関連記事3)。6GFLOPS/Wを超えるスパコンもこれらが初めてである。

 PEZYグループが開発しているスーパーコンピュータの特徴は、同グループのExaScalerが開発した液浸冷却技術と、同じく同グループのPEZY Computingが開発した独自プロセッサー「PEZY-SC」を採用していること。このうち液冷技術は、富士通がクラウドサーバー向けに採用を検討している(関連記事4)。開発した技術の詳細は、PEZYグループを率いる齊藤元章氏が日経エレクトロニクスに寄稿した論文(()と())に詳しい。