管理センターの駐車場に設置したハイブリッド発電システム(出所:ハウステンボス・技術センター)
管理センターの駐車場に設置したハイブリッド発電システム(出所:ハウステンボス・技術センター)
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再生可能エネルギーを用いたハイブリット発電システムの概要(出所:ハウステンボス・技術センター)
再生可能エネルギーを用いたハイブリット発電システムの概要(出所:ハウステンボス・技術センター)
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 ハウステンボス・技術センター(長崎県佐世保市)と九電工は、共同でハウステンボス別荘地の共有施設において、「再生可能エネルギーを用いたハイブリット発電システムの活用実験」を開始したと発表した。太陽光パネル(出力30kW)と小型風力発電設備(10kW)と蓄電池(120kWh)を組み合わせ、別荘地の管理センターの電力需要を賄う。

 ハウステンボス(長崎県佐世保市)は、テーマパークに隣接して、「ワッセナー」と名付けた別荘用の分譲地(戸建て130戸、マンション120戸)を開発し、グループ会社のハウステンボス・技術センターが共有施設を管理している。今回のハイブリッド発電システムは、同分譲地の管理センター内の空調、照明、汚水ポンプ、揚水ポンプに加え、EV(電気自動車)用充電設備に電力を供給する。

 これまでは九州電力から電力供給を受けていたが、今回の実験開始を機に商用系統との連系を止めてオフグリッドとし、独立したマイクログリッドとして運用する。太陽光パネルはシャープ製の10kWシステムを3セット、小型風力発電設備はビルメン鹿児島(鹿児島市)製の5kW機を2基を導入した。2つの発電設備と鉛蓄電池(20kWh・6セット)をハイブリッド制御装置で制御する。システムとしての供給最大電力は20kWになる。

 実験期間は、2015年7月27日から5年間で、電力会社の送電系統と繋がっていないオフグリッドの状態で、太陽光と風力、蓄電池によって電力需給を制御できるか、検証する。実験を通じて、太陽光と風力のマイクログリッドに関する施工、需給制御、メンテナンスなどのノウハウを蓄積し、さらなる応用研究を検討するという。

 ハウステンボス・技術センターは、こうしたノウハウをテーマパーク内でのオフグリッド型の電気設備の開発・運用に生かす。九電工は、東南アジアなどでの未電化地域において、オフグリッドで電力を安定供給する小規模電力供給システムの検証・確立を目指しており、今後、インドネシアで実証実験を行う計画を持っている。