重さは電池を含めて170kg。最大速度は1.0m/秒
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A3サイズの用紙が入るトレー6段を備えている。最大20kgまで運べる
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エレベーターの自律乗降も可能
エレベーターの自律乗降も可能
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CGHではパナソニックの離床アシストベッド「リショーネ」の実証実験も行っている
CGHではパナソニックの離床アシストベッド「リショーネ」の実証実験も行っている
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 シンガポールPanasonic System Solutions Asia Pacific(PSSAP)社は、パナソニック プロダクションエンジニアリングが開発した病院用の自律搬送ロボット「HOSPI」を、シンガポールのChangi General Hospital(CGH)に提供した(発表資料)。HOSPIは、病院内の薬剤や検体を、人手に替わって全自動で搬送するロボットで、2013年10月から販売中。CGHとPSSAPは2015年2月から段階的に導入を進めながら実証実験をしてきた。今回は、2015年7月に新棟を開設したのに合わせて、HOSPIの可動範囲を広げた。海外初の本格導入となる。なお、国内では松下記念病院、埼玉医科大学病院、獨協医科大学病院で稼働している。

 HOSPIは無線LAN通信機能を備えており、エレベーターの到着信号を受信して自動乗降するとともに、複数の棟に分散した各施設の間を自動走行し、医薬品や検体を届ける。コントロールセンターとの無線LAN通信により、院内のどこにいても、常時その位置の把握と記録が可能。HOSPI前面に搭載したカメラの映像をセンターで確認することもできる。HOSPIにはセンサーを搭載し、院内地図データを格納しており、車いすの患者などを含むさまざまな障害物を自動で避けて走行する。病院内の新しいルートも追加できる。搬送物の取り出しはIDカードの照合を通じて行うため、搬送物に対するいたずらや盗難、損傷などを防げるとする。

 CGHは1000床を超える規模の公立病院で、2005年から、JCI(Joint Commission International)の認定医療機関となっている。新棟の開設により、入院患者が増加。医療品や検体、カルテなどを確実に搬送するため、HOSPIの可動範囲拡大を決めた。

 同リリースによると、CGHのアシスタントCEOであるSelina Seah氏は導入の意義を次のように語ったという。「スタッフが高齢化するなか、施設の拡大で移動距離が延びるという課題に対し、HOSPIはシンプルで現実的な形で、院内の人手と時間の節約に貢献する。HOSPIの導入で、人的リソースの最適化と生産性の改善が可能になった」。

■変更履歴
公開当初、本文中でHOSPIの表記に誤りがありました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2015/8/6]