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 パナソニックは2015年7月23日、変換効率が約22.5%のSi系太陽光発電モジュールを試作したと発表した。同社はSi系太陽電池セルでは25.6%という記録を持っている(関連記事)が、モジュールでは米SunPower社の22.4%がこれまでの最高だった。

 測定は産業技術総合研究所が2015年5月27日に実施した。モジュールは125mm角のセル72枚から成り、開口部面積は1万2018cm2。270.2Wのピーク出力を得たとする。変換効率は、22.48%となる。短絡電流値は6.14A、開放電圧は51.7V。形状因子(FF)は82.0%だった。

 このモジュールに用いた太陽電池セルは25.6%といった最新の研究開発品ではなく、「量産ベースのセルを利用した」(パナソニック)とする。ただ、「セル変換効率換算では24.3%になる」(同社)ことから、既存の製品に利用している変換効率22.5%のセルとは異なるもようだ。

 効率アップのポイントは、「セル、モジュール全体で、光学的な損失や電気的損失を低減する複数の技術を開発した」(パナソニック)点にあるとする。具体的には、光閉じ込め構造の改良やセル間接続の低抵抗化、集電極の低抵抗化を図ったという。

 このモジュールの製品化については、「開発した技術を今後の製品に反映していく」(パナソニック)として、具体的な製品化時期についての言及は避けた。