米Cypress社の創業者で、社長兼CEOのT.J. Rodgers氏に話を聞いた。半導体業界におけるM&Aは今後数年間は続くと見る。Mooreの法則は、マイクプロセッサーとNANDフラッシュメモリー、DRAM、およびFPGA以外の製品ではすでに終息しているとする。MRAMは事業として成立しないと見る。CypressはMCU、PSoC、NORフラッシュ、SRAMを武器に車載市場に特に注力するとした。(聞き手は、今井拓司=日経エレクトロニクス編集長)

撮影:日経エレクトロニクス
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問:Cypress社とSpansion社が対等合併するなど、半導体業界ではM&Aが相次いでいる。その理由は。

Rodgers氏 理由はいくつかある。まず、売上高が20億米ドルを下回るようだと、企業経営コストという点で効率が良くない。Cypress社とSpansion社の経営統合により(日経テクノロジーオンライン関連記事1)、新生Cypressの売上高は約20億米ドルとなった。今後、我々の利益率はさらに向上するだろう。

 大手顧客や販売代理店が取引する半導体メーカー数を減らしたいという要求を持っていることもM&Aが進む理由の1つだ。取引相手を絞れば、部品を入手する手間を抑えることができるからだ。もう1つは、半導体業界全体の成長率がそれほど高くないことを挙げられる。業界の年間成長率は3~4%である。それより成長率を上げようと思えば、M&Aは有効な手段と言える。

問:今後も半導体業界ではM&Aは続くと思うか。

Rodgers氏 数年間は続くだろう。何が何でもM&Aとは思わないが、我々も、常にM&Aは意識している。

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この記事の掲載当初、最初の問で「Cypress社がSpansion社を買収する」は「Cypress社とSpansion社が対等合併する」の誤りでした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。