登壇した前川氏
登壇した前川氏
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 電源IC専業メーカーのトレックス・セミコンダクターが2015年7月1日に東京都内で開催した新社長就任・新製品発表会には、同社 事業本部 第二ビジネスユニット ビジネスユニット長 技術理事の前川貴氏が登壇。同社が今後注力する6つの事業領域(ターゲットマーケットセグメント)について説明した(関連記事1同2)。

 同社は長く民生機器向けを主力としてきたが、最近では自動車や産業機器、医療・ヘルスケアといった新分野の開拓に力を入れている。自動車ではインフォテインメントやカメラ、モニター向けなど。産業機器では既存の機器に加え、「ゴーグル型情報端末(HMD)やドローンに興味を持っており、いずれこうした用途に向けた専用ICが求められる」(前川氏)と見る。医療・ヘルスケアでは、出荷数量が見込める「民生分野に注力する」(同氏)。例として、血糖値計やパルスオキシメーター、カプセル内視鏡、体内埋め込み型(インプラント)機器などを挙げた。

 このほか、「スポーツ用品」「アパレル」「ウエアラブルデバイス」の3分野に期待を寄せているという。「非常に興味深い」(前川氏)と話すスポーツ用品では、例えばスイング時の回転や加速度などを測定し記録する用途で、センサーや電源ICなどが使われると見る。スポーツ用品に搭載する半導体部品は「耐衝撃性といった、これまでにはなかった要求を満たす必要がある」(同氏)。

 ウエアやシューズ、グローブなどのアパレルは「従来は電子機器とはかけ離れたものだと思われてきた」(前川氏)。ここでも、電源ICなどを活用すれば、例えば「安定して発熱できる繊維を実現できる」(同氏)。ここにも伸縮性や通気性、洗濯耐久性といった、半導体部品にとって新たなハードルがあるという。ウエアラブルデバイスについては、現在主流のアクティブトラッカー(活動量計)型から一皮むけた、新しい製品群の登場への期待を示した。