浄谷新池に浮かべたフロート式太陽光発電設備(出所:兵庫県)
浄谷新池に浮かべたフロート式太陽光発電設備(出所:兵庫県)
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 兵庫県北播磨県民局は2014年4月~2015年3月まで、小野市浄谷町にある浄谷新池の水面で、出力40kWのフロート式太陽光発電の実証実験を行い、5月下旬にその結果を公表した。それによると、屋根上に同じ角度で設置したパネルに比べ、発電量が14%多かった。

 フロート式太陽光は、20kW(パネル80枚)ずつ、2タイプで設置した。タイプ1は、フロート式架台を陸地からワイヤーで係留し、設置角10度で設置した。タイプ2は、池の底に沈めた重りにより係留し、設置角20度で設置した。フロートの中央部分にスプリンクラーを各1台設置して、散水による効果も実験した。

 主な実証結果とその考察は、以下となる。
(1)設置角による発電量の比較では、5~8月は10度のパネル、それ以外は20度に設置したパネルの方が多く発電した。これは南中高度の違いとみられる。

(2)係留方法の違いによって、強風や水位変動に対する追従性・安定性、および発電量に有意差は認められなかった。

(3)庁舎屋上に同じ角度で設置した太陽光パネルと比べ、発電量は14%多かった。これは水面による冷却効果と考えられる。

(4)散水の有無による発電量の比較では、実験した9月11日と12日(正午から5時間)の両日とも、散水した10度のパネルの方が多かった。

 この実証実験は、浄谷新池太陽光発電所整備共同企業体が受託した。代表者はアンフィニジャパンソーラー、構成員は環境資源開発コンサルタントとなる。太陽光パネルはアンフィニジャパンソーラー、フロート架台は環境資源開発コンサルタントが手掛けた。