富士山の景観保全が目的(出所:富士宮市)
富士山の景観保全が目的(出所:富士宮市)
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富士宮市が示した抑制区域(出所:富士宮市)
富士宮市が示した抑制区域(出所:富士宮市)
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 静岡県富士宮市は7月1日、富士山の景観などを守るため、大規模な太陽光発電と風力発電の建設を規制する条例を施行した。対象となる再生可能エネルギー発電設備を設置する場合は、市長への届け出、同意が必要になり、「抑制区域」への設置は認められないことになる。

 条例の正式名称は、「富士宮市富士山景観等と再生可能エネルギー発電設備設置事業との調和に関する条例」で、「富士山の景観、豊かな自然環境及び安全安心な生活環境の保全及び形成と再生可能エネルギー源の利用との調和を図る」ことを目的とする。

 対象となる再エネ設備は、「土地に自立して設置する太陽光パネルの面積の合計が1000m2を超える太陽光発電設備(ただし、建築物の屋根・屋上に設置するものを除く)」、「高さ10mを超える風力発電設備」となる。

 これらに該当する設備を設置する場合、条例に基づき、事業に着手する60日前までに、市長への届け出と同意申請が必要となる。「抑制区域」については、原則、市長は同意しない。ただし、太陽光パネルの総面積が1万2000m2以下で、規則で定める区域にある場合は除かれる。

 同市は、「抑制区域」の条件として、以下の3つを挙げ、上図を示した。(1)地域を象徴する優れた景観として、良好な状態が保たれていること。(2)豊かな自然環境が保たれ、学術上必要な自然環境を有していること。(3)歴史的、または郷土的な特色を有していること。

 また、条例の適用除外となる規模の太陽光・風力発電設備についても、地域との調整、景観や安全上の視点から、「小規模な再生可能エネルギー発電設備設置事業に関するガイドライン」を策定し、公表した。