富士通研究所とソシオネクストは、4K/60p対応のHEVC/H.265リアルタイムエンコーダーICを開発した(日経テクノロジーオンライン関連記事1)。このICの開発経緯に関して富士通研が、「SystemC Japan 2015」(2015年6月19日に新横浜で開催)で講演した。

講演する松村 秀敏氏 日経エレクトロニクスが撮影。
講演する松村 秀敏氏
日経エレクトロニクスが撮影。
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 登壇したのは、同社の松村 秀敏氏(メディア処理研究所 メディアアクセラレーションプロジェクト)である。

 今回のHEVC/H.265リアルタイムエンコーダーICの開発では、符号化の複雑度が10倍、 処理画像数が8倍となることによって(図1)、2007年に開発した前世代品(H.264コーデック)IC(日経テクノロジーオンライン関連記事2)に対して、開発規模の大幅な増大が見込まれたという。それにもかかわらず、今回のICは前世代品と同程度の期間や工数で開発できた。

図1●富士通が開発してきた動画像処理ICの概要 今回開発したのは右端のIC。富士通研のスライド。
図1●富士通が開発してきた動画像処理ICの概要
富士通研のスライド。
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 開発効率化に貢献したのが、高位合成ツールである(米Cadence Design Systems社の製品)。今回のICは複数の機能モジュールからなり、機能モジュールごとに高位合成する(図2)。

図2●今回開発したICの構造 複数の機能モジュールからなる。富士通研のスライド。
図2●今回開発したICの構造
複数の機能モジュールからなる。富士通研のスライド。
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