インドにおける年ごとの太陽光の新設容量。2019年までに24GWの太陽光が増設されるとの予測がある(出所:「India Solar Handbook, 2015」、BRIDGE TO INDIA)
インドにおける年ごとの太陽光の新設容量。2019年までに24GWの太陽光が増設されるとの予測がある(出所:「India Solar Handbook, 2015」、BRIDGE TO INDIA)
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 ソフトバンクは6月22日、インド企業などと太陽光と風力発電を開発する合弁企業を設立し、インドの全地域を対象に投資し、再生可能エネルギーの発電所を展開していくと発表した。

 合弁相手となるのは、バーティ・エンタープライゼズ・リミティッド(以下、バーディ)と、フォックスコン・テクノロジー・グループ(以下、フォックスコン)。同2社とソフトバンクの3社間で、SBG Cleantech Limited(SBGクリーンテック)を設立する計画に関し合意した。今後、諸条件が整い次第、3社合同でSBGクリーンテックに出資する。

 バーティは、電気通信、農業ビジネス、金融サービス、小売り、製造などの事業を展開しているインド企業。フォックスコンは、電子機器の生産を請け負う電子機器受託生産(EMS)の大手で、台湾に本社を持つ。

 最近までバーティで新規事業部門を率いていたManoj Kohli氏がSBGクリーンテックの取締役会長に、Raman Nanda氏がCEO(最高経営責任者)に就任する予定。また、SBGクリーンテックは、主要な活動拠点をデリーに置く予定という。

 インドでは現在、出力3.7GWの太陽光発電が稼働している。同国の太陽光は、2015年中に250%の成長が見込まれており、2022年までに100GWの太陽光発電設備、60GWの風力発電設備を建設するという目標を掲げている。SBGクリーンテックは、2015~2016年次のインド全国レベルや州別の太陽光発電事業の入札に参加する予定という。

 ソフトバンクの孫正義社長は、「今回の協業でのゴールは、クリーンエネルギー市場を創造する会社を作り上げ、クリーンかつ再生可能なエネルギー資源によりインドの経済発展を強力に後押しすること。それぞれの分野でリーダーであるバーティとフォックスコンの両社とともに手を携え、このベンチャー事業を通じて将来のインドの繁栄へ向け努力していきたい」とのコメントを発表した。

 バーティのスニル・ミタル会長は、「本事業は、クリーンな資源で国家のエネルギー需要に応えていくというモディ首相のビジョンに対し大いに貢献することになる。携帯電話がインド全国民をつないでいるように、再生可能エネルギーもインド全国民に電気を供給できる可能性がある」とのコメントを出した。

 フォックスコンのテリー・ゴウCEOは、「再生可能エネルギーを強化していくことは当社の事業戦略の重要な柱のうちの一つ。SBGクリーンテックを通じて、インドにおけるクリーンエネルギーソリューション分野において圧倒的な立場を確保するとともに、インドにおける再生可能エネルギー産業の発展を支援していきたい」とのコメントを公表した。