図1●損壊した伊勢崎市の太陽光発電所(出所:日経BP)
図1●損壊した伊勢崎市の太陽光発電所(出所:日経BP)
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図2●後列(北側)の2つのアレイは、ほぼ杭基礎ごと飛ばされ、跡形もない(出所:日経BP)
図2●後列(北側)の2つのアレイは、ほぼ杭基礎ごと飛ばされ、跡形もない(出所:日経BP)
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図3●後列の架台(単管パイプ)が前列の上に落下した(出所:日経BP)
図3●後列の架台(単管パイプ)が前列の上に落下した(出所:日経BP)
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図4●西側の2つのアレイは、ほとんど損傷がない(出所:日経BP)
図4●西側の2つのアレイは、ほとんど損傷がない(出所:日経BP)
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 群馬県伊勢崎市や前橋市で、6月15日午後4時から6時ごろにかけ、ヒョウとともに激しい突風が吹き、住宅の屋根が飛んだり、電柱が倒れるなどの被害があった。この強風で伊勢崎市三和町に設置していた太陽光発電設備の太陽光パネルが700枚以上、飛ばされるとともに、架台の多くが倒壊した。

 損壊した太陽光発電設備は、サイト全体で約1300枚のパネルで、出力約330kWの発電容量を備え、約50kWごとに区分してパワーコンディショナー(PCS)で交流に変換して低圧連系していたとみられる。

 設置方法は、単管パイプを1m程度、杭基礎として地中に打ち込み、そこに単管パイプをジョイントで架台に組み上げていた。アレイ(パネルの設置単位)は大きく5つに分けて南北2列に並べて設置していた。3つが約230枚(横23枚×縦10枚)、2つが約340枚(横34枚×縦10枚)の大面積アレイを約15度で設置していたとみられる。

 このうち後列(北東側)の約230枚と約340枚のアレイがほぼ全壊し、前列(南側)の約340枚のアレイが半壊した。ただ、西側の残り2つのアレイは、ほとんど損傷がなかった。

 15日午後、伊勢崎市内では北東の風だったとされ、北東側後列の2つのアレイが裏側から強風を受け、架台ごと杭基礎から引き上げられて飛ばされ、前列のアレイの上に落ち、前列アレイを押しつぶす形になり、半壊させたとみられる。

 架台が倒壊する過程で、パネルが架台の固定金具から外れて飛ばされたとみられる。アレイの下に設置していたPCSセット(約10kW×5台)も、倒壊したアレイに付いていた3セットは単管パイプに装着されたまま飛ばされていた。