ボディエリアネットワーク(BAN)技術の利用イメージ
ボディエリアネットワーク(BAN)技術の利用イメージ
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 東芝は2015年6月15日、複数のセンサーノードで計測した生体情報を無線経由でハブに集約する「ボディエリアネットワーク(BAN)」技術を開発したことを発表した。

 東芝は、欧州電気通信標準化機構(ETSI)が進める医療ヘルスケア向け無線通信規格「SmartBAN」の標準化に取り組んでいる。今回発表した技術を含むSmartBAN規格書は、2015年4月28日にETSIが発行。詳細については、6月10日にロンドンで開催されたIEEEの国際会議ICC(International Conference on Communications)2015で発表した。

 心電や脈波などの生体情報は、それぞれの計測に適したセンサーの装着場所があり、医療用途では高い信頼性が求められる。今回のBAN技術では、各生体情報に適する部位に装着した複数のセンサー間の時刻を同期させたうえで、センサーが計測した情報をハブとなるウエアラブルデバイスに集約する無線システムを採用した。ハブが制御チャネルとデータチャネルの2つを使用するシステム構成とすることで、近隣BANとの共存をはかる。

 データチャネルでは、タイミング割り当てを基本とする送受信によりセンサーの消費電力を低減する。生体情報の数値によって発生する緊急信号は、割り当て時間以外のタイミングを利用して低遅延で送受信できる。

 これらのパラメータはユースケースに応じて選択することが可能。送信頻度の低いスポーツモニタリングでは、送信頻度の高い転倒防止よりも平均消費電力を6割以下に抑えられるという。また、各生体情報に適したフレーム長で送受信すれば、生体情報伝送時の消費電力を現在広く普及しているBluetooth Smartよりも50%弱に低減できるとしている。