メディカル・データ・ビジョンは、患者が自分の診療情報をインターネット経由で保管・閲覧できるシステム「エースビジョン」を2015年6月下旬から医療機関向けに販売する。医療機関側で診療を記録する機能と、システムを導入する医療機関での共通の診察券(IDカード)「CADA」、患者側の閲覧機能「カルテコ」を組み合わせて提供する。

 エースビジョンで患者が見られるのは、受診した医療機関の情報や傷病名、検査結果、診療中に使われた薬、処置・手術の記録、処方された薬、医師のメッセージ。どのような症状で受診したか、自分で「症状リスト」を編集できるほか、気になったことや不安に感じたことなどをメモしておくこともできる。

カルテコの画面例。IDとパスワードでログインし、カレンダー画面の日付をクリックすると、その日の診療情報が見られるようになっている(資料:メディカル・データ・ビジョン)
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 メモは本人の記録用で、医療機関側へは共有しない。カルテにあるような医師の所見や画像は閲覧対象に含まれない。また、医師が患者に共有しないと判断した情報は閲覧できない。

 患者は、システムの費用を直接負担しないが、病院からCADAを受け取る際に診療情報の二次利用に同意する(同意した患者に限り、カルテコを利用できる)。このサービス提供で蓄積されたデータは将来、個人情報を除いて、製薬会社や研究機関に販売する予定。

エースビジョンの概念図(資料:メディカル・データ・ビジョン)
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