双葉電子工業の長生工場に隣接する従業員用の駐車場(出所:国光施設工業)
双葉電子工業の長生工場に隣接する従業員用の駐車場(出所:国光施設工業)
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 国光施設工業(東京都大田区)は、出力約1.7MWの日本最大級のカーポート型メガソーラー(大規模太陽光発電所)を建設し、6月中旬に発電事業を開始する。双葉電子工業(千葉県茂原市)の所有する千葉県の長生工場に隣接する従業員用の駐車場に設置した。発電事業者は、国光施設工業子会社の国光エナジーサービス(東京都中央区)となる。

 約1100台の駐車場スペースとなる約2.6haの敷地に出力約1.7MWの太陽光発電設備を設置する。大面積のアレイ(太陽光パネルの設置単位)を大きな設置高で設置することで、パネルの下に駐車できるようにした。年間発電量は約170万kWh、一般家庭約470 世帯分を見込んでいる。発電電力は、全量を電力会社に売電する。

 EPC(設計・調達・施工)サービスは国光施設工業。太陽光パネルは中国のインリー・グリーンエナジー・ホールディング製、パワーコンディショナー(PCS)は富士電機製、架台の設計は、環境経営戦略総研(東京都新宿区)と中村勉総合計画事務所が担当した。

 同社によると、「欧米ではMW級のカーポート型太陽光発電所はあるが、日本では、既存の駐車場を利用した1MWを超えるカーポート型メガソーラーの導入は例がない」という。

 国光エナジーサービスが、双葉電子工業から太陽光発電事業の目的で20 年間、駐車場を借り受ける。太陽光パネルを設置後も、駐車場の機能は損なわないため、双葉電子工業は従業員用の駐車場として利用を続ける。太陽光パネルが、屋根の代わりになるため、夏の強い日差しを遮って、車内温度の上昇を防ぐ効果もある。

 国光施設工業は、空港や工場、病院、大型ビルなどの電気設備工事業を主力としている。これに加え、公共・産業用向けメガソーラーのEPCやO&M事業にも乗り出している。同社は、環境経営戦略総研と共にカーポート型太陽光発電システムの設置に取り組んでおり、2015年度中に10MWの導入を目標としている。

 2014 年12 月に都が発表した「東京都長期ビジョン」では再生可能エネルギーによる電力利用を20%増加させるための具体的な施策の1つとして、「駐車場の上部空間を有効活用するソーラーカーポートの普及促進」を挙げている。