台湾貿易センター(TAITRA:Taiwan External Trade Development Council)は2015年6月11日、台湾の医療・歯科用機器、介護用機器産業の動向を解説するとともに台湾企業10社の最新製品を発表するイベントを東京都内で開催した。TAITRAは台湾経済部国際貿易局の管轄下にあり、日本のJETRO(日本貿易振興機構)に相当する組織。今回のイベントは、台湾製医療器材の日本における認知度向上とビジネス機会の拡大を目的とする。
台湾の医療器材産業はここ数年、2桁成長を続けており、2013年の生産高は1163億台湾ドル(約4650億円)に達している。海外メーカーのODM(Original Design Manufacturer)としてスタートしながら、最近では自社ブランド製品の販売に力を入れている企業も増えているという。
イベントでは、台湾貿易センター東京事務所の所長である呉 俊澤(ゴシュンタク)氏、台湾駐日経済文化代表処の駐日副代表である余 吉政(ヨキッセイ)氏による挨拶の後、台湾区医療バイオテクノロジー器材工業組合の顧問・前理事長である陳 濱(チェンピン)氏が台湾医療器材の市場動向、産業振興策、産業クラスタの地理的分布、さらにSWOT(Strength:強み、Weakness:弱み、Opportunity:機会、Threat:脅威)分析の結果などを解説した。
陳氏のSWOT分析によると、台湾医療器材産業には「半導体や電子部品など国内の関連産業が成熟している」「医療器材に求められる多品種少量生産に対応する機動力を備えている」などの強みがある。一方、弱みには「国内市場が小さく、ブランド構築が容易ではない」「中小企業が多い上、同業同士で価格競争しており、世界にマーケティングできる主導的製品がない」などがあるという。
イベントに参加した台湾企業は10社(表)。このうち、Advantech、Codent Technical Industry、EPED、Heartway Medical Products、Hiwin Technologiesの5社が10分ずつ自社製品の特徴をプレゼンした。
社名 | 展示製品 |
---|---|
Advantech Co., Ltd. | 医療用7インチタブレット |
Codent Technical Industry Co., Ltd. | 歯科用ドリル(低・高速ハンドピース) |
EPED Inc. | インプラント臨床ガイドシステム、歯科臨床シミュレーター |
Heartway Medical Products Co., Ltd. | 折り畳み携帯式電動シニア用カート |
Hiwin Technologies Corp. | 下肢筋力リハビリ用マシン |
Apex Health Care Mfg., Inc. | 在宅ケア用超低床ベッド |
Apixia Corporation | 歯科用X線画像読み取り機 |
BenQ Materials Corp. | 動脈用止血器AnsCare、コンタクトレンズ |
Dyaco International Inc. | バイオフィードバックの歩行バランス訓練自転車 |
Mediland Enterprise Corp. | オペライト、二重駆動式手術台 |