「SOLAR WARE 2300」(2.3MW機)/「 SOLAR WARE 2500」(2.5MW機)の外観イメージ(出所:TMEIC)
「SOLAR WARE 2300」(2.3MW機)/「 SOLAR WARE 2500」(2.5MW機)の外観イメージ(出所:TMEIC)
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 東芝三菱電機産業システム(TMEIC)は6月11日、世界最大クラスとなる屋外型の大容量パワーコンディショナー(PCS)を製品化し、グローバルで受注を開始すると発表した。定格容量2.3MWの「SOLAR WARE2300」と、同2.5MWの「SOLAR WARE2500」の2機種で、直流側の最大電圧も1500Vに引き上げた。

 従来、TMEICは、太陽光発電用PCSとして、米国向けに1.667MW機、国内向けに0.75MW(750kW)機を製品化し、販売してきた。今回、2MWを超える大容量機種をグローバルに投入することで、国内外ともに大容量化のニーズに応える。

 太陽光発電システムの設計では、パネルを直列に接続する直流回路の電圧に関し、欧米では1000Vが一般的で、国内では従来の600Vから1000Vに移行しつつある。米国などでは、すでに試験的に1500Vで設計したメガソーラー(大規模太陽光発電所)が稼働し始めている。TMEICの新製品は、こうした高電圧化の流れを先取りした。

 新製品の2機種は、2015年6月中旬に受注を開始し、2015年12月に出荷を開始する。TMEICは、「世界最大クラスの大容量と世界最高クラスの電力変換効率(98.8%・参考値)を実現した初めての直流1500V対応製品になる」としている。

 同社は、大容量化と高電圧化、高効率のほか、以下の特徴も挙げている。(1)屋外型で、周囲温度-20~50℃に対応し、砂漠など過酷な環境にも設置できる。(2)定格容量の50%までは、ファンで強制的に冷却しない自然空冷(ファンレス)方式のため、消費電力を抑制できる。(3)出力や力率などを遠隔制御するなど、スマートグリッドに対応できる。

 また、新機種による顧客メリットを5つ挙げている。(1)大容量化に伴い、従来の1000V対応機と比較して、PCS設置台数を30%削減でき、これに伴い据付け配線工事なども減るため、建設コスト全体を削減できる。(2)屋外型のため、PCS収納用エンクロージャ(筐体)が不要になり、導入コストを削減できる。(3)世界最高クラスの変換効率により、売電量を最大化できる。(4)定格容量の50%まで自然冷却なので、ランニングコストが下がる。(5)吸気用フィルターが不要のため、メンテナンスコストが下がる。

 TMEICは、2015年6月10~12日にドイツ・ミュンヘンで開催される世界最大級の太陽光発電の専門展「Intersolar Europe」に新製品の仕様データを配布し、拡販、受注活動をグローバルで開始する。