「かえるかわうちメガソーラー発電所」の完成イメージ(出所:エナジア)
「かえるかわうちメガソーラー発電所」の完成イメージ(出所:エナジア)
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 再生可能エネルギー関連のベンチャー企業、エナジア(福島県郡山市)は6月9日、福島県川内村で「かえるかわうちメガソーラー発電所」の安全祈願祭と起工式を開催したと、発表した。同発電所は、エナジアが下川内地区の村有地4.5haを賃借して発電事業を行う。同地区は、福島第一原発の事故以来、年間被曝放射線量が20ミリシーベルト以下の避難指示解除準備区域だったが、昨年10月1日に避難指示が解除されていた。福島第一原発から20km圏内でのメガソーラー(大規模太陽光発電所)の設置は初めてになるという。

 式典には、川内村の遠藤雄幸村長、産業技術総合研究所の坂西欣也所長代理、東邦銀行の竹内誠司常務取締役、川内村村議会の西山東二議長など、約30人が出席した。

 2015年12月に完成し、2016年1月から発電を開始する予定で、東北電力に全量売電する。太陽光パネル約1万464枚を設置する。パネルによる直流の出力は約2.6MW、交流に変換するパワーコンディショナー(PCS)の定格出力は1.99MWとなる。設備利用率は12.1%で、年間発電量は264万2800kWhを見込む。EPC(設計・調達・施工)サービスはシャープが担当し、太陽光パネルはシャープ製、PCSは東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用する。

 総事業費約7億円のうち約2億円を経済産業省の「再生可能エネルギー発電設備等導入推進復興支援補助金(半農半エネモデル等推進事業)」で賄い、東邦銀行の「とうほう・次世代創業支援ファンド」から5000万円の出資を受ける。残りはABL(動産担保融資)の手法で、地銀から資金調達する。

 売電益から約1億円を「かえるかわうち再興支援バス運行事業」に充てる。同事業では、同村の仮設住宅がある郡山市と往復するルートなどを新設する。

 エナジアは、福島ミドリ安全(福島県郡山市)の白石昇央社長が設立したベンチャー企業で、再生可能エネルギーを活用した地域エネルギー会社の設立、運営を支援している。これまでに地中熱利用や木質バイオマスを活用したコージェネレーション(熱電併給)システムの構築などを支援した実績がある。