R8をベースにしたAudiの自動運転EVコンセプト
R8をベースにしたAudiの自動運転EVコンセプト
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内装はベース車とほぼ同じ
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電池はミッドシップに配置したので床下はフラット
電池はミッドシップに配置したので床下はフラット
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 ドイツAudi社は、2015年5月24日から中国・上海で開催中の「CES Asia 2015 」で、自動運転が可能な電気自動車(EV)、「R8 e-tron Piloted Driving Concept」を公開した。

 ボディ寸法は非公開だが、実車を見ると量産型「R8」とほぼ同じ大きさに思える。タイヤはドイツのContinental社製で、サイズは前輪が225/40 R19、後輪が275/40 R19である。車内はEVまたは自動運転車として特別な仕様になっているようには見えない。

 モーターは車体後部にあるが、インホイール式ではなく後輪軸の左右それぞれに一つずつある。前輪は駆動しない。モータの定格出力は340kW。リチウムイオン2次電池の容量は90kWhとかなり大きい。Audi社によると、電池は「R8」がミッドシップ・エンジンを置いている位置に搭載している。外部から車体の床部を見たが、同じく大容量の電池を搭載する中国BYD製EVのように、電池部分が大きくはみ出している設計ではない。

 動力性能は、最高速度が250km/h、停止状態から100km/hまでの加速が3.9秒だ。充電時間は2時間で、満充電での航続距離は450kmである。Audi社は「今後、リチウムイオン2次電池の性能が上がって行くので、2018年頃には航続距離が500km程度のモデルの販売が可能となるだろう」と語った。

 充電時間が2時間と長い理由は、中国での急速充電の出力が最大20kWに制限されていることに加え、過度の急速充電による電池の劣化を考慮したからだと説明した。充電方式については、日本が推奨するCHAdeMO方式、欧米が普及を推進しているコンボ方式、さらに中国独自のさまざまな規格に対して柔軟に対応するとしていた。ただ、今回公開されたコンセプトモデルでは充電口の位置は公開していなかった。

 量産時期についてAudi社は「このクルマはフル自動運転とピュアEVという、弊社の技術をフル装備したコンセプトカー。今後、簡易的な自動運転機能を持ったEVなど、さまざまな形の商品を検討して、量産化していきたい」と語った。