竣工式の様子(出所:日経BP)
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約8万m<sup>2</sup>の池の水面に、9072枚の太陽光パネルが浮かぶ(出所:日経BP)
約8万m<sup>2</sup>の池の水面に、9072枚の太陽光パネルが浮かぶ(出所:日経BP)
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水による冷却効果で、太陽光パネルの発電量が増加(出所:日経BP)
水による冷却効果で、太陽光パネルの発電量が増加(出所:日経BP)
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樹脂製部材で太陽光パネルを水面に浮かべる(出所:日経BP)
樹脂製部材で太陽光パネルを水面に浮かべる(出所:日経BP)
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 京セラと東京センチュリーリースは5月24日、兵庫県加西市にある逆池の水上に設置した、出力約2.3MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「兵庫・加西市逆池水上メガソーラー発電所」の竣工式を開催した。

 両社の合弁によるSPC(特定目的会社)である、京セラTCLソーラー(東京都千代田区)が発電事業者となる。

 水上に設置したメガソーラーとしては、世界最大規模となる。従来の世界最大の水上設置型メガソーラーは、同じく京セラTCLソーラーが兵庫県加東市で運営する設備で、出力は約1.7MWとなる。

 6月11日に、関西電力への売電を開始する予定で、年間発電量は、一般家庭約820世帯の消費電力に相当する、約2680MWhを見込んでいる。

 逆池は、水面の面積が約8万m2で、米や麦を栽培する田畑への農業用水の供給を担っている。ため池としては比較的大きく、9072枚の京セラ製太陽光パネルを浮かべた。

 水上設置型のメガソーラーの利点として、二つの点を強調している。一つは、太陽光パネルの直下が水面であることから、池の水による太陽光パネルの冷却効果である。

 結晶シリコン系の太陽光パネルは、高温時に発電ロスの増大で変換効率が落ちる特性がある。水上であれば冷却効果によって、夏の高温時に、地上や屋根に設置した太陽光パネルに比べて、発電量のロスを低減できるとする。

 もう一つは、池にとっての利点である。太陽光パネルが水面を覆うことによって、貯まった水の蒸発量が少なくなる、藻などの異常発生を抑制できるとしている。

 太陽光パネルを水に浮かべる「フロート」と呼ぶ部材は、フランスのシエル・テール・インターナショナル社のライセンスを受け、日本企業が製造した製品を採用した。

 EPC(設計・調達・施工)サービスは、京セラグループのエンジニアリング会社、京セラコミュニケーションシステム(京都市)が務めた。パワーコンディショナー(PCS)は、日立製作所製を採用した。