太陽光発電用フロートシステムのイメージ(出所:三井住友建設)
太陽光発電用フロートシステムのイメージ(出所:三井住友建設)
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システム構成のイメージ。フロート、ブリッジ、緊結バンドで構成(出所:三井住友建設)
システム構成のイメージ。フロート、ブリッジ、緊結バンドで構成(出所:三井住友建設)
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 三井住友建設は5月18日、水上設置型の太陽光発電用フロートシステムを開発したと発表した。太陽光パネルを装着する「フロート」、フロートを連結する「連結板(ブリッジ)」、フロートと連結板を固定する「緊結バンド」から構成する。太陽光パネルをフロートごとに設置角10度で、一枚ずつ取り付ける。

 フロート内部に発泡剤を充填することで、フロートに損傷が生じた場合でも浸水を防ぎ、水没を回避する構造を採用した。中空の製品と比べ、3~5倍の剛性強度を確保したという。また、冷却効果を高めるために、フロート中央に大きな開口を設置した。部品点数を極限まで減らすことで低コストを実現したという。

 フロートの材質は、高密度ポリエチレン(HDPE)。紫外線対策として、灰色に着色し、紫外線吸収剤を添加している。フロートの重量は11.5kg、ブリッジの重量は2.5kg。設置できるパネルの外形寸法は、幅(1500~1700mm)×奥行(980~1000mm)×高さ(35~50mm)。国内の複数の製造拠点から、安定的に提供できるという。

 水上での太陽光発電は、日射を遮る障害物が少ないうえ、太陽光パネルの冷却効果が得られるため、陸上よりも高い発電量が期待できる。加えて、フロートシステムが水面を覆うことで藻の発生を抑制し、水質改善効果も期待できるとしている。

 三井住友建設は、香川県からフロート式架台による太陽光発電の実証事業を受託するなど、これまで複数の水上太陽光発電システムの施工・検証・管理を手掛けた実績がある。