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 パナソニックは、太陽電池を製造する国内2工場に、合計95億円を投じて生産能力を増強すると発表した(関連記事)。生産能力の増強に踏み切ったのは、好調な国内の事業環境が背景にある。2GW前後で推移する国内住宅用太陽電池市場でパナソニックはシェアを徐々に伸ばし、2014年度に3割程度のシェアを確保してトップになった。

 しかし一方で、太陽光発電による電力の買い取り価格の引き下げや、出力制御ルールの適用など、太陽光発電事業の先行きは不透明だ。そこでパナソニックは、売電から自家消費への流れを先取りすべく、生産能力増強と合わせて、太陽電池と蓄電池のセット販売に力を入れる方針を打ち出した。

 具体的には、対象となる太陽電池と蓄電池をセットで購入したユーザーに、太陽電池で発電した電力の売電単価を最大7円/kWhアップしたり、最大22万円をキャッシュバックしたりするキャンペーンを2015年6月22日に開始する。

 売電単価の引き上げは、東京電力と中部電力のエリアを対象とする。パナソニック・エプコ エナジーサービスが提供する電力買い取りサービス「ソーラープレミアム」による1円/kWhの引き上げに加えて、最大6円/kWhを1年間限定で追加するものだ。売電金額は約6カ月ごとに口座に振り込まれる。

 合計7円/kWhの引き上げを適用するのは、対象となる10kW以上の太陽光発電システムと蓄電池を購入し、接続契約を2015年7月1日以降に締結したユーザーである。例えば27円/kWhの売電単価が34円/kWhになる。

 もう1つのキャッシュバック・キャンペーンは、対象となるパナソニックの太陽電池モジュールと蓄電池を2015年6月22日~10月31日に購入したユーザーのうち、先着2000人に22万円をキャッシュバックするもの。応募締め切りは2015年11月30日である。