富士重工が2014年11月に部分改良した「インプレッサ」。その内容は、内外装のリファインとエンジンのフリクションロス低減による燃費向上、足回りの再チューニングである。その走りの進化ぶりと開発の経緯が興味深かったのでお伝えしたい。
2011年11月に登場したインプレッサスポーツ/G4は、2013年にも部分改良している。ステアリングホイールのデザイン変更と電動パワーステアリングの特性改善である。今回は、発売2年後の部分改良にあたるにもかかわらず内外装に大きな変更がないのは、それだけデザインの完成度が高く人気を維持していたことに加え、走りにも変更の必要がないことを意味していた。
ところが実際にはスバルのエンジニアはまったく満足などしていなかったのである。さらに走りを洗練させるべく、入念なチューニングを進めていたのだった。「スバル」ブランドが最近目指しているのは「動的質感」の向上だ。静的質感がデザインや仕上げによって左右される「見た目の印象」とするなら、動的質感は走らせて感じる「走りの質感」である。