図1●神奈川県中井町の出力約9.8MWのメガソーラー「SGET中井メガソーラー発電所」(出所:スパークス・グループ)
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図2●展望台からメガソーラーを眺める右から神奈川県の黒岩祐治知事、スパークス・グループの阿部修平社長(出所:日経BP)
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 投資顧問などを手掛けるスパークス・グループは4月27日、神奈川県足柄上郡中井町に建設した、出力約9.8MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「SGET中井メガソーラー発電所」の竣工式を開催した(図1~2)。

 神奈川県内では3番目に出力の大きいメガソーラーで、県が誘致した案件では最大規模という。

 竣工式であいさつした神奈川県の黒岩祐治知事は、電力会社の送電網への受け入れ可能容量の制約はあるものの、「日本の太陽光発電は、これからが本番」とし、導入を推進する姿勢を改めて示した。

 東名高速道路の秦野中井IC、小田原厚木道路の二宮ICに近い、中井町井ノ口の丘陵地に立地する。神奈川県住宅供給公社を含めた5者が所有する土地で、面積は19万9796m2

 二十数年前から、工業用地として検討されてきたが、バブル経済の崩壊などもあり、有効活用に至らなかった。

 その後、東日本大震災による電力の安定供給への影響を踏まえ、電力の地産地消を目指す、神奈川県の「かながわスマートエネルギー計画」の一環として、メガソーラー用地に利用することになった。

 神奈川県と中井町、土地の所有者である神奈川県住宅供給公社、スパークス・グループの子会社であるスパークス・グリーンエナジー&テクノロジー(東京都品川区)が、2013年5月に基本協定を締結し、メガソーラーを建設した。

 発電事業者は、SPC(特定目的会社)のSGET中井メガソーラー(中井町)となる。

 年間発電量は、一般家庭約2870世帯分の消費電力に相当する、1034.7万kWhを見込んでおり、全量を東京電力に売電する。

 総事業費は約40億円で、このうち約28億円は、三菱UFJリースが主幹事を務めたプロジェクトファイナンスによる融資で賄った。三菱UFJリースのほか、横浜銀行が融資した。

 残りの約12億円は、東京都が立ち上げた、官民連携インフラファンドの一つである「スパークス・官民連携グリーンエナジー投資事業有限責任組合」が出資した。

 同組合は、スパークス・グループの子会社であるスパークス・アセット・マネジメント(東京都品川区)が運営を受託した。