住友商事は4月20日、同社と米国子会社の米州住友商事が、両社の子会社である米Perennial Power Holdings社を通じ、米国の蓄電池会社のWilley Battery Utility(WBU)社の株式を取得したと発表した。
再生可能エネルギー開発事業者の英Renewable Energy Systems(RES)の米国法人が保有していたWBU社の株式を住友商事グループに譲渡した。
住友商事は今後、WBU社を通じて、米国最大クラスの独立系統運用機関(ISO)である Pennsylvania-New Jersey-Maryland Interconnection(PJM Interconnection)が運営する周波数調整市場向けに、蓄電池を使った需給調整サービスを提供する。
太陽光・風力発電の急拡大に伴い、その出力変動を吸収することで電力網を安定化する手法の一つとして、蓄電池を使った電力網の需給調整サービスへの需要が高まっている。
WBU社は、東芝製の出力6MW、容量2MWhの蓄電池システムを、PJM Interconnection向けの需給調整サービスに使う。海外における、日本製の大型蓄電池を使った関連事業への参画は、日本企業では初となるという。
PJM Interconnection向けの需給調整サービスでは、東芝が蓄電システムの納入とメンテナンスを担当するほか、RES社の米国法人が変圧器などの供給や設置、システム管理・操作・制御を担う(関連ニュース1)。
米国オハイオ州のハミルトン郡に設置する。4月に着工し、2015年12月に運用を開始する予定としている。
東芝のLiイオン蓄電池に関する技術力と、北米で合計7.7GWの再生可能エネルギー関連事業を手掛けているRESグループの開発・設計・建設能力、住友商事グループの電力事業運営ノウハウを融合し、PJM Interconnection向けを皮切りに、テキサス州やカリフォルニア州などの潜在市場への参画を検討していくとしている。
住友商事グループは、日産自動車との合弁企業であるフォーアールエナジー(横浜市)と協力して、蓄電池を使った電力系統の安定化の実証を、大阪市や鹿児島県薩摩川内市で取り組んでいた(関連ニュース2、同3)。