図1 組立工程順と連動した工程検討。ある工程の状態を再現し、作業性などを検証できる。
図1 組立工程順と連動した工程検討。ある工程の状態を再現し、作業性などを検証できる。
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図2 ターゲットマーカー追従機能を使った動的干渉チェック。右側の写真で手に持っている水色の箱が、3Dモデルとして表示される。左下の画面が干渉した状態(赤色になっている)。
図2 ターゲットマーカー追従機能を使った動的干渉チェック。右側の写真で手に持っている水色の箱が、3Dモデルとして表示される。左下の画面が干渉した状態(赤色になっている)。
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図3 スナップショットの活用。左側の画面の状態をスナップショットとして記録することで、右側に画面のように3Dモデルをディスプレイに表示できる。
図3 スナップショットの活用。左側の画面の状態をスナップショットとして記録することで、右側に画面のように3Dモデルをディスプレイに表示できる。
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図4 MREALを使っている様子。ユーザー(左手前)には、右奥のディスプレイのような3Dモデルが実物大で見えている。
図4 MREALを使っている様子。ユーザー(左手前)には、右奥のディスプレイのような3Dモデルが実物大で見えている。
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 キヤノンITソリューションズ(本社東京、以下キヤノンITS)は2015年4月20日、MR(複合現実感)システム「MREAL」上で自動車1台分の詳細データといった大容量3Dデータの表示や、組立工程と連動した作業性検証などを可能にするツールの提供を開始した(キヤノンITSのニュースリリース)。具体的には、MRシステム「MREAL」と軽量3Dデータ形式XVLを使ったデジタルモックアップ(DMU)ツール「XVL Studio Pro」〔ラティス・テクノロジー(本社東京)〕を連携させる「XVL Studio Pro MREAL Advancedオプション」(同)を発売する。ラティスは、最初の顧客としてトヨタ自動車へ同オプションを提供することを明らかにしている(ラティスのニュースリリース)。

 MREALはさまざまな3Dデータおよび3Dツールに対応しているが、詳細な部品を含む自動車1台分の3D-CADデータ(数十Gバイト)を表示するのが難しかった。ユーザーの視点が移動した際に、その見え方をリアルタイムで変化させる必要があるためだ。XVLデータに3D-CADデータを変換すると、数百分の1にまで軽量化されるため、このような大容量3Dデータの検証も可能になる。加えて、XVL Studio Proが持つ工程検証機能などを利用可能になる。

 具体的には、[1] 実際の組立工程順と連動した工程検討、[2] 作業者の部品組み付けにおける動的な干渉チェック、[3] 3Dモデルへの検証結果の記録、などが可能になる。なお、これらの検証機能を省いて参照機能に特化した「XVL Studio Pro MREAL Advancedオプション」も用意した。