東芝が発売済みのリストバンド型活動量計。今回の研究では次世代型センサーを開発するという
東芝が発売済みのリストバンド型活動量計。今回の研究では次世代型センサーを開発するという
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 東芝と大分大学は、「認知症のなりやすさ」と身体・生活情報の因果関係を解明し、予防法を開発するための実証研究を始める(リリース)。東芝が開発するリストバンド型生体センサーを活用する。

 大分県の「産学官連携ヘルスケアモデル事業」の支援を受けるもので、実施期間は2015~2017年度。この実証研究では、アミロイドβの脳内蓄積量、および認知機能検査に基づく認知症関連データを解析。東芝のリストバンド型生体センサーを使って、日中の活動量や睡眠時間などの「生活データ」、体重や血圧、血糖値などの「身体データ」も継続的に収集する。これらの生活データ、身体データと認知症関連データの関係を検証することで、「認知症のなりやすさ」と身体・生活情報の因果関係を解明する。対象人数は1000人を計画しており、認知症の発症予防法の開発にもつなげる考え。

 東芝は、次世代のリストバンド型生体センサーを開発し提供するとともに、収集したデータの解析を担う。ここで確立した認知症予防の知見を生かし、2020年には地方自治体やケアセンター、健康機関などに向けて認知症リスクを抑えるサービスを提供する狙いだ。

 大分大はこの実証研究に向けた「認知症先端医療推進センター」を開設。「11C-Pittsburgh compound B(PIB)」や「18F-fluoro-2-deoxy-D-glucose(FDG)」といったバイオカーカーとPET検査を活用し、認知症の予防法や根本的治療薬の開発を目指す。今回の実証研究では、生活習慣における認知症発症のリスク因子を明らかにし、認知症予防法の開発につなげる。