シャープが中国・深センで2015年4月9~10日に開催した商談会「シャープ電子デバイス展示紹介会」(関連記事)では、特定顧客向けの展示を実施した一方で、中国現地メデイアに向けた戦略発表会および技術展示の見学会を行った。同社 代表取締役 専務執行役員の方志教和氏が事業戦略を発表し、さらに現地法人のシャープ電子(上海) 副総経理の孫宇峰氏が技術力をアピールした。

中国華南地区の営業体制強化、IGZOによる技術革新で攻める

 現地メディア向けの発表会で説明に立った方志氏は、中国戦略として、(1)華南地区の営業体制強化、(2)4K市場に向けたディスプレーやセンサーの提供、(3)モバイル向けインセルパネルの投入、(4)フリードローイング技術の展開の4点を強調した(図1)。(2)~(4)の「4K」「インセル」「フリードローイング」を具現化する技術が「IGZO」である。

 (2)のディスプレーは、モバイルから大型テレビ用途までのあらゆる画面サイズを対象にしている。(3)のインセルパネルは、今後投入していくことになる。(4)のフリードローイング技術は、画面をタッチしてキー入力するだけでなく、紙にペンで文字や絵を描くような入力まで可能にする技術と、シャープは位置付けている。

図1 中国現地メディアに、シャープの中国戦略を説明する方志氏
十数社の中国現地メディアが参加した。最後の質疑応答では、シャープの技術の優位性、華南地区の営業体制強化の具体的な内容に関して質問が出て、方志氏が答えた。中国戦略の説明に先立って、同氏はシャープの企業紹介も行った。
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