マルチコプターへの搭載例(出所:日本アビオニクス)
マルチコプターへの搭載例(出所:日本アビオニクス)
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外観(左)と、搭載したマルチコプターの飛行例(右)(出所:日本アビオニクス)
外観(左)と、搭載したマルチコプターの飛行例(右)(出所:日本アビオニクス)
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上空から、デジタルスチルカメラと赤外線カメラの両方で同時に撮影し、パネルのトラブルの有無を把握しやすく(出所:日本アビオニクス)
上空から、デジタルスチルカメラと赤外線カメラの両方で同時に撮影し、パネルのトラブルの有無を把握しやすく(出所:日本アビオニクス)
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架橋構造物への応用例(出所:日本アビオニクス)
架橋構造物への応用例(出所:日本アビオニクス)
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 電子機器・製造装置メーカーの日本アビオニクスは4月8日、メガソーラー(大規模太陽光発電所)における太陽光パネルのトラブルの把握などに使う、無人小型ヘリコプター(マルチコプター、通称:ドローン)向けに、小型・軽量の赤外線カメラのプロトタイプモデル(試作品)を開発し、テスト販売を始めたと発表した。

 メガソーラーの上空を飛ばし、太陽光パネルを広範囲に撮影した画像から、極端に温度が高くなっているパネルを把握するために使う。

 そのほか、災害用ロボット、橋など人が近づきにくい場所の点検といった用途を想定している。

 320×240画素の赤外線カメラと、200万画素の通常のデジタルスチルカメラ、SDカードスロットを備えたモジュールを、400gに軽量化した。寸法は60mm×84mm×125mmで、温度分解能は0.04℃となっている。

 現在の赤外線カメラには、重量が重く、寸法が大型で、価格が高いという課題がある。

 重量が軽くなれば、マルチコプターの消費電力を抑えて、飛行時間が延び、一度の飛行でより広い面積のメガソーラーを撮影できるようになる。

 メガソーラーの撮影では、上空の同じ位置から、デジタルスチルカメラと赤外線カメラの両方で同時に撮影し、画像を比較することで太陽光パネルのトラブルの有無を把握しやすくなる。こうした用途に対応している。

 SDカードに直接、記録できるようにしたのは、無線によるデータ送信の障害時でも、データを損失しないためである。

 温度測定範囲は-40℃~+1500℃、測定精度は±2℃(または2%以下)オートフォーカスによる焦点範囲は30cmから、視野角は水平32度、垂直24度、空間分解能は1.78mrad、フレームレートは60Hzなどとなっている。