太陽光発電の導入見込み量(低位)(出所:平成26年度2050年再生可能エネルギー等分散型エネルギー普及可能性検証検討委託業務報告書)
太陽光発電の導入見込み量(低位)(出所:平成26年度2050年再生可能エネルギー等分散型エネルギー普及可能性検証検討委託業務報告書)
[画像のクリックで拡大表示]
太陽光発電の導入見込み量(中位)(出所:平成26年度2050年再生可能エネルギー等分散型エネルギー普及可能性検証検討委託業務報告書)
太陽光発電の導入見込み量(中位)(出所:平成26年度2050年再生可能エネルギー等分散型エネルギー普及可能性検証検討委託業務報告書)
[画像のクリックで拡大表示]
太陽光発電の導入見込み量(高位)(出所:平成26年度2050年再生可能エネルギー等分散型エネルギー普及可能性検証検討委託業務報告書)
太陽光発電の導入見込み量(高位)(出所:平成26年度2050年再生可能エネルギー等分散型エネルギー普及可能性検証検討委託業務報告書)
[画像のクリックで拡大表示]

 環境省は4月3日、3つのケースに分けて試算した再生可能エネルギーの導入見込み量を公表した。電源構成に占める再エネの比率は、現状の普及策では2030年に約24%、合理的な誘導策を講じた場合には約31%、最大限に促進した場合は約35%に達するとの結果になった。

 この試算は、2050年再生可能エネルギー等分散型エネルギー普及可能性検証検討会(座長・倉阪秀史・千葉大学大学院人文社会科学研究科教授)を設置して、検討したもの。同検討会の報告書では、2050年など長期的な導入ポテンシャルが実現することを仮定して、その途中段階としての2030年の姿を逆算した。

 現状の政策を「低位」、合理的な推進策を「中位」、最大限の推進策を「高位」として導入見込み量を試算した。2030年における再エネの発電電力量は、低位2414億kWh、中位3122億kWh、高位3566億kWhとなり、2030年の総発電量を約1兆kWhとした場合、電源構成に占める割合は、それぞれ約24%、約31%、約35%となる。エネルギー基本計画に記載された再エネの最低導入量は2140億kWh、経済産業省が3月10日開催した長期エネルギー需給見通し小委員会(第4回会合)で示した再エネ導入可能量は2137億kWhなので、低位でもこれらの水準を上回る。小委員会の数値との差は、主に風力発電の見込み量の多寡に起因する。

 2030年の再エネ導入量のうち、太陽光の発電設備容量は、低位67.7GW、中位101.9GW、高位108.7GWとなった。これを発電量に換算すると、低位777億kWh、中位1173億kWh、高位1280億kWhとなる。長期エネルギー需給見通し小委員会で示した太陽光の導入見込み量である61.4GW、700億kWhと比べると、やはり低位でも、同小委員会の水準を上回ることになる。