GEヘルスケア・ジャパン代表取締役社長兼CEOの川上潤氏
GEヘルスケア・ジャパン代表取締役社長兼CEOの川上潤氏
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MAGiCでは1回の撮影でコントラストが異なる複数の画像が得られる
MAGiCでは1回の撮影でコントラストが異なる複数の画像が得られる
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 GEヘルスケア・ジャパンは2015年4月9日、磁場強度が3.0T(テスラ)のMRI(磁気共鳴断層撮影装置)新製品「SIGNA Pioneer」を発売した。SIGNA Pioneerは、必要な電源容量を77kVA、設置面積を29m2に抑えた省電力・省スペースタイプ。3.0TタイプのMRIでは、いずれも業界最小になるという。

 SIGNA Pioneerの開発は、GEヘルスケアの日本法人であるGEヘルスケア・ジャパンが中心となって進められた。日本をはじめとするアジア圏では、MRIに高機能とコンパクトさを求める傾向がある。そこでSIGNA Pioneerでは、消費電力や設置面積を抑えるとともに、画像再構築技術「MAGiC」(MAGnetic resonance image Compilation)、静音技術「SILENT SCAN」、頭部の3次元の動きを補正する「3D PROMO」などの新機能を搭載する。

 このうちMAGiCは、1回の撮影だけでT1強調画像、T2強調画像を含むコントラストが異なる6つの画像を取得する技術。従来のMRIでは、6つの画像を得るために2~3分の撮影を6回繰り返す必要があり、計15分ほどかかっていた。MAGiCを搭載したSIGNA Pioneerであれば、5分ほどの撮影1回で6つの画像が得られる。「撮影に時間がかかる」というMRIの欠点を改善する技術となる。音の発生を抑えるSILENT SCANは、MR検査時の小児に対する鎮静剤の使用を少なくして、検査成功率の向上に貢献する。

 SIGNA Pioneerの本体価格は、2億4000万円(税別)。さらに省電力や省スペースにより、「ランニングを含めたトータルのコストは従来のMRIより、相当安くなる」(GEヘルスケア・ジャパン代表取締役社長兼CEOの川上潤氏)という。