京セラは4月8日、同社と東京センチュリーリースによる合弁会社である京セラTCLソーラー(東京都千代田区)が、兵庫県加東市で出力約1.7MWと同約1.2MWの水上設置型メガソーラー(大規模太陽光発電所)の稼働を開始したと発表した。
出力約1.7MWは、稼働済みの水上設置型の太陽光発電所としては、世界最大規模という。2014年9月に着工し、3月30日に、関西電力への売電を開始した。
稼働したのは、加東市にある西平池の水上に設置した出力約1.7MWの「兵庫・高岡西水上メガソーラー発電所」と、東平池の水上に設置した出力約1.2MWの「兵庫・高岡東水上メガソーラー発電所」。
二つの水上設置型メガソーラーには、京セラ製の出力255Wの太陽光パネルを合計1万1256枚、浮かべた。合計年間発電量は、一般家庭約920世帯分の年間電力消費量に相当する、約330万kWhを見込んでいる。
水上設置型のメガソーラーの利点として、水面に近いことで、太陽光パネルが冷える効果があり、夏の高温時でもパネルの温度上昇を抑制でき、発電量のロスが少ないことなどを挙げている。結晶シリコン型のパネルは、高温時に発電効率が下がることが知られている。
また、太陽光パネルが水面を覆うことで、貯水池の水の蒸発量を抑えたり、藻類の異常発生を防ぐ効果もある。
太陽光パネルを支える架台の役割を担うフロートは、高密度ポリエチレンによる製品を採用した。紫外線や腐食に強い上、リサイクルが容易とする。
フロートは樹脂製だが、台風による強風などに耐えうる強度設計や、連結技術を採用しているという。フランスのシエル・テール・インターナショナル社製のフロートを採用した。
施工は、京セラグループのエンジニアリング会社、京セラコミュニケーションシステム(京都市)が務めた。