図: 2014年度は19.5%増の2297億円、2017年度から減少する(出所:矢野経済研究所)
図: 2014年度は19.5%増の2297億円、2017年度から減少する(出所:矢野経済研究所)
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 矢野経済研究所は4月1日、 2014年度(2014年4月~2015年3月)の国内の新エネルギー用パワーコンディショナー(PCS)市場が、前の年度に比べ19.5%増の2297億円となる見込みと発表した。

 太陽光発電、風力発電、燃料電池、蓄電池向けのPCSを対象とし、メーカーの出荷金額ベースで算出した。

 2013年度(2013年4月~2014年3月)は、前の年度に比べ81.9%増の1922億円だった。2014年度は、前の年度に比べて、成長率は落ちたものの、拡大傾向は継続した。メガソーラー(大規模太陽光発電所)向け、50kW未満の低圧連系向けが市場の拡大を牽引した。住宅用も安定的に成長している。

 2014年度は、単価が高い500kW以上の機種が増加したことで、台数の伸び以上の拡大となった。

 1月時点で、設備認定済みの太陽光発電システムのうち、10kW未満は88.7%が稼働済みとなっている一方、10kW~1MW未満は28.9%にとどまり、約4分の1強しか稼動していない。1MW以上は10.2%とさらに低く、PCSの受注残が多くなっている。

 2015年度、2016年度は、前の年度を上回る見通し。2017年度からは、減少傾向に転じ、2017年度は前の年度に比べ11.0%減の2151億円になると予想している。

 また、PCSにおける競争軸として、これまでの変換効率の向上や、低価格化が限界に達しつつあり、長寿命化や周辺機能の拡充など、発電システム全体の低価格化や小型化、運用上の手間やコストの抑制に向かいつつあるとしている。

 屋外機の品揃えの充実、SiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)といった新材料による高出力パワー半導体の採用、 長寿命化、周辺機能の付加、冷却の効率化、入力電圧範囲の拡大、保証期間の延長、蓄電池付きシステムへの対応などを挙げている。

■変更履歴
公開当初、冒頭にある2014年度の前年度比の数値を「19.5%」としていましたが、「19.5%増」の誤りです。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2010/4/10 14:39]