府中事業所内に開所した「水素エネルギー開発センター」(出所:東芝)
府中事業所内に開所した「水素エネルギー開発センター」(出所:東芝)
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 東芝は4月6日、東京都府中市にある府中事業所内に「水素エネルギー開発センター」を開所したと発表した。建築面積900m2の施設に、太陽光発電システムのほか、水電解装置、水素タンク、エネルギー制御システム、燃料電池などを導入した。

 再生可能エネルギーから水素を生成して貯め、電力として利用するエネルギーシステムなどの実用化を目指す。水と電気から高効率に水素を生成する新開発の「固体酸化物形電解装置」を採用し、太陽光発電システムの電気を水素の形で貯めておき、燃料電池などで活用する。実用化に向けた検証を行うとともに、顧客ニーズを把握するための水素関連技術の展示スペースとしても活用する。

 東芝グループは、再生可能エネルギーによる発電システム、水電解装置、燃料電池などグループ内の水素関連技術を融合した水素ソリューションの開発・実証を強化する。今後、グループ全体で2020年度に、水素関連事業で売上高1000億円を目指す。「水素エネルギー開発センター」は、その一環となる。

 具体的には、2015年度以降、離島・遠隔地など発電コストが高い地域向けに、再生可能エネルギー由来の水素を電力に変換して利用する「地産地消型」エネルギー供給システムを実用化する。

 また、2025年をめどに、海外の大規模風力発電などで安価に生成した水素を国内に輸送し、水素ガスタービン発電所で発電する水素サプライチェーンの構築を計画する。大規模な電力網を整備することなく、クリーンな電力を安定的に貯蔵、供給することを目指す。