登壇した古森氏
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アンメットメディカルニーズに応える
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再生医療で幅広い事業を展開
再生医療で幅広い事業を展開
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社内リソースとのシナジーを生かす
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 富士フイルムホールディングスは2015年3月30日、iPS細胞の開発・製造を手掛ける米Cellular Dynamics International(CDI)社を株式公開買付け(TOB)で買収すると発表した。手続きは2015年4月中に完了する見込みで、買収総額は約3億700万米ドル(約360億円)。

 同日、東京都内で記者会見を開催した。登壇した富士フイルムホールディングス 代表取締役会長・CEOの古森重隆氏は、CDI社の買収は「アンメットメディカルニーズの究極の解決策とされる再生医療での事業拡大に向けた、重要で力強いステップ。取り組みを加速し、再生医療で世界一の企業になる」と述べた。

 富士フイルムはかねて「総合ヘルスケアカンパニー」を掲げ、ヘルスケア分野を強化してきた。今回の会見でも、同分野は「中長期的な成長の柱として、積極的に事業を拡大する」(古森氏)とした。

 買収するCDI社は、2004年設立のバイオベンチャー企業。創薬支援や細胞治療、幹細胞バンク向けにiPS細胞を開発・製造しており、「高品質のiPS細胞を安定に生産する技術で先行している」(古森氏)。既に、ヒトiPS細胞由来の心筋細胞や神経細胞などを創薬支援向けに提供している。従業員数は155人、2014年度の売上高は1670万米ドル(約20億円)である。