加熱性や熱効率の良さをうたったフライパンを使うと、ガスこんろのガスが不完全燃焼して一酸化炭素(CO)濃度が高まる恐れがある――。製品評価技術基盤機構(NITE)が、こんな注意喚起を行った。製品の使用中にCO警報器が鳴ったとの情報が2015年2月以降、NITEに3件報告されているという。

図1 熱効率を高めるために底にフィンを設けたフライパン。写真はリコールとなっている「Hirota ECO マルチパン」
図1 熱効率を高めるために底にフィンを設けたフライパン。
写真はリコールとなっている「Hirota ECO マルチパン」
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 問題のフライパンは、底面にフィンを設けて受熱面積を広げるとともに、コンロの炎が横に逃げるのを防ぐことで食材を効率的に加熱できることをうたったもの。エコフライパンなどと呼ばれている(図1)。このフィンが悪さをしていたとみられる。

 一般にガスこんろは、火力調整ノズル部でガスと燃焼に必要な空気の一部(1次空気)を予混合し、さらに燃焼部で周囲の空気(2次空気)を取り込むことで必要な空気を確保してガスを完全に燃やす。ところがエコフライパンは、フィンが邪魔をして燃焼に必要な2次空気が十分に取り込まれず、不完全燃焼を起こして高濃度のCOが発生したとみられる。