長期エネルギー需給見通し小委員会(第4回会合)で示された再エネ導入見込みと構成比率。2030年の総発電量は、省エネと送電ロスを折り込んで約1兆kWhとした。太陽光の導入見込み容量は、見込み発電量から換算。※風力の導入見込み容量・発電量は、配布資料などを基に日経BPが試算した。(出所:長期エネルギー需給見通し小委員会の配布資料などを基に日経BP作成)
長期エネルギー需給見通し小委員会(第4回会合)で示された再エネ導入見込みと構成比率。2030年の総発電量は、省エネと送電ロスを折り込んで約1兆kWhとした。太陽光の導入見込み容量は、見込み発電量から換算。※風力の導入見込み容量・発電量は、配布資料などを基に日経BPが試算した。(出所:長期エネルギー需給見通し小委員会の配布資料などを基に日経BP作成)
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太陽光の導入見込み量は今後、増加も

 今回の試算で使われた太陽光発電の2030年時点の導入見通しは、2月3日の新エネルギー小委員会で示されたもの(関連記事)。系統ワーキンググループで試算した7電力会社の接続可能量の合計である2369万kWを基に、設備利用率を13%とした場合に年間約270億kWh相当の電力量となり、この数値を、地域ごとの昼間最低需要の規模から機械的に全国規模に換算した。全国の接続可能量は6141万kW(61.41GW)、発電量は約700億kWhとなる。

 700億kWhを試算した前提となっている接続可能量は、東日本大震災前の電源構成と設備利用率を前提としているため、原発再稼働数などの状況次第で、今後増える可能性がある。また、出力制御ルールが日単位から時間単位に変更されることや、指定電気事業者制度への移行に伴い、追加的な導入量も見込まれる(関連記事)。

 2月3日の新エネルギー小委員会では、2030年時点における太陽光の導入見込み量として、1億4000万kW(140GW)という数値も示した。これは、現在の運転開始量(年間約770万kW)のペースが続いたと仮定した導入量だ。国内の太陽光関連事業者の施工能力の限界を示している。

 再エネ比率を「21%」に上乗せする場合、潜在的に最も開発余地が大きいのは、太陽光とみられる。今後は、風力も含めて、自然変動電源を電力システムで使いこなすコストを加味しつつ、エネルギーミックスの中での比率が検討されることになりそうだ。