建設機械大手のコマツは、石川県の粟津工場で高効率のバイオマス・コージェネレーション(熱電併給)・システムを完成させ、2015年4月から本格稼働させると発表した(図1)。

図1 コマツ粟津工場内の「バイオマス蒸気ボイラシステム」の建屋
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 コマツは東日本大震災直後の電力供給不安を機に、工場の電力消費削減に向けて生産設備の再構築を進めてきた。粟津工場では老朽化した工場の立て替え・集約により生産ラインのコンパクト化を実施し、生産技術も省エネの観点で根本から見直した(関連記事)。さらに、出力550kWの太陽電池など再生可能エネルギーの導入も行ってきた。今回のバイオマス・コージェネ・システムは一連の取り組みの最後の仕上げとなる。これにより「2015年度までに購入電力量を2010年度比で90%削減する」という目標を、実際に達成できる見込みが立ったとしている。

間伐材を利用、熱利用が大部分

 このシステムは間伐材など未利用の木材資源を燃料とし、ボイラーで高圧の蒸気を発生させ、この蒸気を第一段で工場用の圧縮空気用動力源として利用、第二段で蒸気式発電機に利用、そして第三段で工場内冷暖房用熱源として利用する(図2)。

図2 エネルギー利用の各段階と出力
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