ResearchKitへの協力を表明する欧米、中国の医療研究機関
ResearchKitへの協力を表明する欧米、中国の医療研究機関
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 米Apple社は現地時間2015年3月9日、医療や健康に関する研究用に設計されたオープンソースソフトウエアフレームワーク「ResearchKit」を発表した(リリース)。米カリフォルニア州サンフランシスコの「Yerba Buena Center for the Arts Theater」で開催された特別イベントにおいて、Apple社のCEO(最高経営責任者)であるTim Cook氏と同社Senior Vice President, OperationsのJeff Williams氏が明らかにした。医師や科学者が患者のデータを継続的かつ正確に収集するためのiPhoneアプリケーション開発を支援するフレームワークとなる。

 2015年3月現在、複数の研究機関がぜんそく、乳がん、心臓血管疾患、糖尿病、パーキンソン病の研究用アプリケーションをResearchKitで開発。患者の同意を得たうえで、医療データを収集しようとしている。Apple社では「(ResearchKitで開発したiPhoneアプリを使えば)研究機関の付近に住んでいる人だけでなく、様々な人口構成の患者にアクセスできるので、大規模な研究への参加者も募りやすくなる」(リリースより引用)としている。

 サンフランシスコで開催された特別イベントでは、欧米や中国の医療関係者がビデオに登場してResearchKitへの期待を述べるとともに、パーキンソン病の患者がResearchKitで開発したiPhoneアプリを使って、指先のタッピングテストやボイステストを入力する様子が紹介された(ResearchKitの紹介ビデオ)。

 一般への提供はResearchKitサイトで2015年4月に開始される。また、ResearchKitで開発したぜんそく、乳がん、心臓血管疾患、糖尿病、パーキンソン病のiPhoneアプリは3月9日から入手可能になっているという。医療データで重要となるプライバシー保護の仕組みは不明だが、Williams氏は特別イベントで「収集したデータはAppleも見ることはできない」として、プライバシー保護に力を入れていることを明言した。