JPEA、出力抑制量を独自に試算、時間単位の採用で抑制率は3分の1に

2015/03/08 23:55
金子 憲治=日経BPクリーンテック研究所
太陽光発電協会による「出力制御シミュレーション」・九州電力・ベースロード等電源容量477万kWの場合。403万kWは2014年11月時点の太陽光発電系統接続量、817万kWは現時点で認められた接続可能量。ベースロード等電源容量は原発6基のほか、流れ込み式水力、地熱、バイオマスの容量から地域間連系線活用による容量値を差し引いた数値(出所:太陽光発電協会)
太陽光発電協会による「出力制御シミュレーション」・九州電力・ベースロード等電源容量477万kWの場合。403万kWは2014年11月時点の太陽光発電系統接続量、817万kWは現時点で認められた接続可能量。ベースロード等電源容量は原発6基のほか、流れ込み式水力、地熱、バイオマスの容量から地域間連系線活用による容量値を差し引いた数値(出所:太陽光発電協会)
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太陽光発電協会による「出力制御シミュレーション」・九州電力・ベースロード等電源容量370万kWの場合(出所:太陽光発電協会)
太陽光発電協会による「出力制御シミュレーション」・九州電力・ベースロード等電源容量370万kWの場合(出所:太陽光発電協会)
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太陽光発電協会による「出力制御シミュレーション」・九州電力・ベースロード等電源容量270万kWの場合(出所:太陽光発電協会)
太陽光発電協会による「出力制御シミュレーション」・九州電力・ベースロード等電源容量270万kWの場合(出所:太陽光発電協会)
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 太陽光発電協会(JPEA)は3月5日、九州電力など3社について、独自に出力抑制率を算定した「出力制御シミュレーション」を実施し、その結果を公表した。それによると九州電力が公表した抑制率(追加量300万kW・2013年度実績ベース)である36%に対し、ほぼ同一条件では、3分の1の13.0%にとどまるという試算値となった。

 今回のシミュレーションは、太陽光発電の連系容量が、接続可能量を超えた後、無制限・無補償の出力抑制を条件に接続した発電事業者が、実際にどのくらい出力抑制されるのかを試算したもの。3月4日に経産省・系統ワーキンググループ(WG)で、九州電力など5社がすでに「出力抑制の見通し」を公表した(関連記事)が、JPEAがほぼ同一条件で独自に試算し、加えてベースロード電源の容量を下げた条件下での抑制量も試算した。

 九州電力は、接続可能量(817万kW)にさらに300万kWの太陽光が接続された場合、2013年度実績(電力需要と太陽光発電量)ベースで出力抑制率36%という算定値を公表していた。JPEAの試算では、ほぼ同じ条件(接続量・1100万kW、電力需要・2013年度実績、太陽光発電量・過去30年平均)で抑制率は13%にとどまった。

原発1基分のベースロード減で抑制率は一ケタに

 JPEAによる抑制率が大きく下がった要因は、九電の試算では、日単位での出力抑制で算定したのに対し、JPEAは新ルールである時間単位の抑制を採用したことが大きい。出力抑制を日単位から時間単位に変えることで抑制率は3分の1近くまで減ることがわかった。東北電力と四国電力は、系統WGですでに時間単位を前提にした抑制率を公表しており、ほぼ同一条件下では、JPEA独自の試算値と近い結果となった。

 原子力発電所の稼働数と広域的な系統利用を加味したベースロード等電源容量が減少した場合の試算値も公表した。それによると九電の場合、ベースロード電源がおおよそ原発1基分にあたる約100万kW減少した前提では、接続量1100万kW時の抑制率は13.0%から7.1%に、約200万kW減少した前提では、同接続量時に3.9%まで下がる。また、ベースロードが200万kW減少した前提では、接続量が1300万kW(追加量約500万kW)に達しても、抑制率は6.9%にとどまるという結果だった。

 JPEAでは、九州電力管内における実際の接続量が、接続可能量(817万kW)に達するのは2017年頃、1300万kWに達するのは2021年頃と推定している。