北海道電力が受託し稚内市で実証した蓄電池併設型の5MWメガソーラー。現在は稚内市が所有して売電事業を担っている(出所:稚内市)
北海道電力が受託し稚内市で実証した蓄電池併設型の5MWメガソーラー。現在は稚内市が所有して売電事業を担っている(出所:稚内市)
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稚内サイトでは日本ガイシ製のNAS電池(1.5MW)を導入した(出所:日経BP)
稚内サイトでは日本ガイシ製のNAS電池(1.5MW)を導入した(出所:日経BP)
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 メガソーラー(大規模太陽光発電所)など再生可能エネルギー事業に取り組む日本グリーン電力開発(東京都千代田区)は、北海道の2サイトで蓄電池を併設したメガソーラーによる売電事業に取り組む。北海道電力は、2MW以上のメガソーラーの系統連系には、周波数変動への対策から蓄電池の併設を求めており、日本グリーン電力開発は、この要請に対応した初めてのプロジェクトとなる。

 建設するのは、苫小牧市と厚岸町の2サイト。苫小牧のプロジェクトでは、太陽光パネルの出力38.1MW、パワーコンディショナー(PCS)の出力25MW。厚岸町のプロジェクトはパネルの出力27MW、PCSの出力は20MW。いずれも、パネルは中国・ジンコソーラー製、蓄電池は韓国・LG化学製を採用する。今秋に着工し、2016年10月の完成を目指す。

 北海道電力は、接続申し込みが40万kWを超えた分の大型太陽光発電設備については、連系の条件として、蓄電池を併設して、急峻な出力変動を緩和することを求めている。相対的に系統規模が小さく、系統周波数への影響が大きいことが理由だ。具体的には、メガソーラー出力の変動幅を、蓄電池の充放電制御と連携した合成出力で、1分間にPCS定格出力の1%以内に収めるという指標を示している。