太陽光発電用ハイブリッド蓄電システム「KP48S-PKG64」。左から、蓄電池ユニット、DC/DCコンバータ、ハイブリッドPCS、計測・操作ユニット(出所:オムロン)
太陽光発電用ハイブリッド蓄電システム「KP48S-PKG64」。左から、蓄電池ユニット、DC/DCコンバータ、ハイブリッドPCS、計測・操作ユニット(出所:オムロン)
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 オムロンは2月23日、戸建住宅向けに、世界最小・最軽量クラスと長寿命の両立を実現した、太陽光発電用ハイブリッド蓄電システム「KP48S-PKG64」を、2015年春に発売すると発表した。

 容量6.4kWhの蓄電池と、出力4.8kWのパワーコンディショナー(PCS)で構成した。PCSは、1台で太陽光発電用と蓄電池用を兼ね、太陽光発電電力を直流のまま貯め、少ないロスで充電できる。3年間で3万セットを販売する目標を掲げている。

 固定価格買取制度(FIT)による新規需要だけでなく、2009年にスタートした住宅用余剰買取制度の10年間の買取期間の終了時期にあたる、2019年以降のリプレース需要に対しても、新たな価値を提供できるとしている。

 リチウム蓄電ユニットは、6.4kWhの容量で、家庭用の空気清浄器並みの小型化を実現し、室内にも溶け込む外観とした。約60kgと軽量で、人手で搬入でき、クレーンなどを使った搬入や基礎工事が不要で、設置時の工数や工費を大幅に削減できるという。

 充放電寿命は約8000サイクルで、10年以上活用できる。

 また、利用状況に合わせた運転モードを選択できる。割安な夜間電力を貯めて朝や夕に使い、昼間は太陽光発電の余剰電力を売電する経済性重視のモード、不測の事態に備えるため、常に50%以上の充電を維持する安心優先のモード、停電計画などに備えるため常に満充電状態になるような強制充電のモードなどを用意した。

 系統側の電圧上昇時や、太陽光発電電力がPCSの出力を超えた時には、直流のまま蓄電することで、効率的に電力を活用できる。また、FITの運用の変更による出力制御にも対応する予定としている。