西仙台変電所に稼働した大型蓄電池システム(出所:東北電力)
西仙台変電所に稼働した大型蓄電池システム(出所:東北電力)
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太陽光や風力発電の導入拡大に伴い発生する周波数変動に対応(出所:東北電力)
太陽光や風力発電の導入拡大に伴い発生する周波数変動に対応(出所:東北電力)
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 東北電力は2月20日、仙台市太白区秋保町の西仙台変電所に設置した大型蓄電池システムの営業運転を開始したと発表した。容量2万kWh、出力2万kW(短時間4万kW)のLiイオン蓄電池で、太陽光発電などの導入拡大に伴い発生する周波数変動への対策として導入し、その効果を検証する。

 一般社団法人新エネルギー導入促進協議会が公募した「2012年度大型蓄電システム緊急実証事業」に採択されたことを受け、2013年11月から設置工事を進めてきた。再生可能エネルギーのさらなる導入拡大を目指し、気象条件で出力が変動する風力発電や太陽光発電の導入拡大に伴い発生する周波数変動への対策として新たに取り組む。

 具体的には、中央給電指令所から蓄電池の充放電の自動制御を行い、これまで主に火力発電が担ってきた周波数調整機能と同蓄電池システムを組み合わせることで、周波数調整力の拡大効果などを検証する。今後、2017年度まで実証試験に取り組む予定。電力系統にこの規模の大型蓄電池システムを設置するのは、国内で初めてという。

 実証試験での検証項目は、(1)蓄電池システムと火力発電機を組み合わせた周波数制御ロジックの構築、(2)実機による周波数調整力拡大の効果、(3)再生可能エネルギー導入拡大への効果、(4)蓄電池の充放電レベル、充放電ロス、寿命――などを挙げている。