環境省は2月19日、「国立・国定公園内における大規模太陽光発電施設設置のあり方に関する基本的考え方」を公表した。今後、同省では、「基本的考え方」に基づいて自然公園法施行規則の改正やガイドラインを策定し、メガソーラー(大規模太陽光発電所)の設置に関する審査の考え方をより明確にするとしている。

 同省は2014年9月に「国立・国定公園内における大規模太陽光発電施設設置のあり方検討委員会」を設置し、4回の会合を開催し、議論してきた。今回の「基本的考え方」は、これらの議論を取りまとめたもの。「国立・国定公園を重要自然地域として認識して対応すべきであること」、具体的には「景観や生物多様性の保全のために自然草地などや樹林地については立地から除外すべきであること」などが示された。

 これまで、国立公園内での導入実績(許可を得た事例の数)は、第2種特別地域内が8件、第3種特別地域内が8件、普通地域内が10 件となっており、うち6件が出力1MW を超えるメガソーラーとなっている。国定公園・都道府県立自然公園内での導入実績は、第2種特別地域内が13 件、第3種特別地域内が29 件、普通地域内が40 件となっており、うち23 件が出力1MW を超えるメガソーラー(2014 年2月末時点)。設置に関する事前の相談を受けている事案は国立公園内で100 件以上、国定公園・都道府県立自然公園内で50 件以上ある(同上)。

 環境省は、「大規模発電容量の施設を設置するにあたっては、広大な敷地を必要とする点などの形態的な特性を踏まえ、景観や動植物への影響に配慮し自然環境との調和を図るために、自然公園法上の審査の考え方を整理することが必要となっている」としている。今回、公表した「基本的な考え方」は、その前提となる。