講演する平本氏
講演する平本氏
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 論理LSIの微細化で先頭を走る米Intel社と台湾TSMC、そして米IBM社。各社の最先端プロセスである16/14nm世代技術には、どのような戦略の違いがあるのか――。

 2015年1月30日に東京都内で開催されたセミナー(SPIフォーラム「3次元プロセスの壁とソリューション」、主催:セミコンダクタポータル)では、東京大学 生産技術研究所 教授の平本俊郎氏が登壇。「16/14nm FinFET技術の最新トレンド ~2014 IEDMから」と題し、半導体デバイス関連の国際学会で発表された内容を中心に、先端CMOS技術のトレンドを解説した。

 平本氏はまず、先端CMOS技術の開発が22/20nm世代から16/14nm世代へ移行し、これに伴ってバルクSi基板を用いたプレーナー(平面)構造のMOSFET(プレーナーバルクMOSFET)が完全に姿を消したことを指摘した。短チャネル効果やばらつきを十分に抑えることが難しいためだ。

 結果として16/14nm世代は、バルクSi基板を用いるFinFET(バルクFinFET)、SOI(silicon on insulator)基板を用いるFinFET(SOI FinFET)、SOI基板を用いるプレーナー構造の完全空乏型トランジスタ(FDSOI)の三つ巴となる。どれを選ぶかは「各社の戦略次第だが、主流がバルクFinFETであることは間違いない」。

 2014年12月に開催された国際学会「2014 IEEE International Electron Devices Meeting(IEDM 2014)」では、Intel社とTSMC、IBM社が16/14nm世代技術で競演した。論理LSIでは最先端のプロセス技術に当たり、「一部で量産が始まっている」。