SE事業部門の売上高減少要因(計画比)(出所:サニックス)
SE事業部門の売上高減少要因(計画比)(出所:サニックス)
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SE事業部門の拠点・人員の状況(出所:サニックス)
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 サニックスは2月12日、2015年3月期通期の連結業績見通しを下方修正し、経常利益が14億3000万円の赤字になると発表した。同社は、電力各社の接続保留を受け、2014年10月31日に業績を下方修正していたが、「その後、太陽光発電設備の着工見込みの遅れは想定以上」とし、再度の下方修正に踏み切った。

 同社は、昨年10月31日に2015年3月期通期連結売上高を1180億円、経常利益を32億円、当期利益を13億円に下方修正していた。今回の下方修正で、売上高970億円、経常損失14億3000万円、当期損失27億2000万円と赤字に転落する見通しとなった。

 太陽光発電システム関連を主な事業とする「SE事業部門」は、同社の売り上げの6~7割を占める。2月12日に公表した第3四半期決算短信によると、同連結累計期間の産業用太陽光発電システムの施工件数は大幅に増加し、SE事業部門の売上高は517億5200万円となり、前年同期比69.9%増となった。だが、売上高に占める人件費などの固定費比率が大きく上昇し、30億7500万円の営業損失(前年同期は 22億1500万円の営業利益)となった。

 2015年3月期下半期に向け、サニックスは、太陽光発電システムの施工件数が大幅に増える前提で施工人員を増員していた。SE事業部門の人員は、2013年4~12月に平均 683人だったところ、2014年4~12月には平均 2706人となった。このため大幅に固定費が増えた一方、接続保留問題など外部環境の悪化により、売上高が前年同期比69.9%増にとどまり、固定費の増加を吸収しきれなかった。

 今後の太陽光発電事業の見通しについて、同社は、「系統容量の大きい東京電力、中部電力、関西電力管轄においては、同社が主に販売している小規模(50kW未満の低圧容量)の太陽光設備は出力抑制の対象外であり、今後主要な営業地域になると目される」とし、九州、四国地区から関東、関西、中部地区に人員を配置替えする。

 並行して、採算性を改善するため、「太陽光発電に関わる部材や物流費などのコスト低減、固定費の全面的見直しなどを行い、損益分岐点を引き下げる」としている。