図1 水素先端世界フォーラム2015で講演する、General Motors JapanのGeorge Hansen氏。
図1 水素先端世界フォーラム2015で講演する、General Motors JapanのGeorge Hansen氏。
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 米General Motors(GM)社は、2015年2月3日から九州大学で開催された「水素先端世界フォーラム2015」で、同社の燃料電池車戦略について講演した。発表者は米GM社の日本法人、ゼネラルモーターズ・ジャパン(GMジャパン)のコミュニケーションズ/ R&Dサイエンスオフィス・ディレクター、George Hansen氏(図1)。

 GMは1966年に世界初の燃料電池車「Electrovan」を発表した企業。当時のイラストを見ると、大型の水素タンク2本をはじめ、大きな燃料電池スタックや大量の二次電池を車体床部に搭載しているのが分かる(図2)。

図2 GMが1966年に発表した、世界初の燃料電池車「Electrovan」の内部構造。(GMの講演資料を会場内で撮影)
図2 GMが1966年に発表した、世界初の燃料電池車「Electrovan」の内部構造。(GMの講演資料を会場内で撮影)
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 2007年には中型SUVの「Equinox」をベースとした燃料電池車を発表した。車体後部の下に水素タンク3本を搭載し、定格出力は73kW、最大出力は94kWの前輪駆動車である。走行性能は満充填での航続距離が320km、最高速度が160km/h、停止状態から100km/hまでの加速時間が12秒だった。

 このクルマは合計119台製造され、アメリカ、カナダ、ドイツ、中国、韓国の5カ国で実証試験を行い、延べ6000人以上が実際に運転したという。水素の充填回数は、3万4000回以上に達し、ガソリン車と比較して、CO2排出量を約253トン削減したことになるという。