コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が主催する「東京ゲームショウ(TOKYO GAME SHOW:TGS)」。毎年秋に開催され、ここ数年は20万人以上が訪れる世界最大級のゲーム業界の展示会である。ゲームは、コンピュータエンターテインメントの先端を行く分野。それだけに、東京ゲームショウの出展内容から、ゲーム業界のみならず、日本のコンピュータエンターテインメント全体の方向性が見えてくる。

 2015年2月5日、CESAは「TGS 2015」の開催概要を発表した(TGS 2015のWebサイト)。それに伴い、都内で関連説明会と懇親会を開催した。その中で、2015年のTGSのテーマを発表した。それは「もっと自由に、GAMEと遊ぼう。」である。このテーマには、「これまでなかったGAMEの多彩な楽しさをより多くの人に体感してほしい」という思いを込めたという。実際、ゲームユーザーのプレースタイルや、遊び方の幅が広がっている。

発表会で講演するCESA会長でバンダイナムコゲームス 代表取締役副社長の鵜之澤 伸氏

 以前はゲームで遊ぶにはゲーム専用機が不可欠だったが、現在はパソコンやスマートフォン、タブレット端末、テレビでもゲームをプレーできる。つまり、ゲームの「マルチプラットフォーム化」が進んでおり、いつでもどこでもゲームを遊べるようになった。特に日本市場は、「マルチプラットフォーム化が進んでいる地域」(CESA理事でカプコン 代表取締役社長COOの辻本春弘氏)である。

懇親会で乾杯の挨拶をするCESA理事でカプコン 代表取締役社長COOの辻本春弘氏

 遊び方も多様化している。自室や友人宅で遊ぶだけでなく、インターネットを利用して、離れた地域に済むユーザーと一緒に、ゲームを手軽にプレーできるようになった。他のユーザーがプレーしているゲーム画面を、共有サイトを通じて大勢のゲームファンで視聴して楽しむスタイルも定着している。