「流用したい図面が探せない」「出図後の現場対応が多い」――設計情報を管理するPDM(製品データ管理)や、それを拡大したPLM(製品ライフサイクル管理)によって解決するはずだったこれらの問題が、依然として残っている。このような課題意識に基づいたPDM/PLMツールの発売が相次いだ。

 2015年1月28日に、米Aras社はPLMツール「Aras Innovator」の新版「同リリース11」を発表した(図1)。設計技術者が作業対象とする部品やアセンブリのデータを使っているとき、そこから関連する全情報に素早くアクセスできるのが特徴。この仕組みに、ソーシャルネットワークのようなコメント付加機能も組み合わせることで、技術者同士の臨機応変なやりとりを可能にした。

 一方、図研は2015年1月30日から、図面管理システム「visual Parts Master」の発売を正式に開始した。設計技術者や生産技術者が図面を参照する際、その図面に関連する部品やアセンブリの品目情報をはじめ、全情報に素早くアクセスできるようにした。Aras Innovatorは「品番」、図研は「図番」と“入り口”とする情報は異なるが、それぞれ技術者が作業対象とする情報を中心に見せる考え方が共通している。

図1 Aras Innovatorの画面
図1 Aras Innovatorの画面
3D-CADデータなどに対して、コメントや注釈を加え、これをユーザー間で共有できる。
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