来間島に設置した太陽光発電設備の一部(出所:日経BP)
来間島に設置した太陽光発電設備の一部(出所:日経BP)
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来間島に設置した合計352kWhの定置型蓄電池システム(出所:日経BP)
来間島に設置した合計352kWhの定置型蓄電池システム(出所:日経BP)
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 沖縄県宮古島では、島内の太陽光発電や風力発電を最大限に活用することなどを目的に、需要制御や蓄電池を活用する「島嶼型スマートコミュニティ実証事業」を2011年度~14年度まで実施してきた。沖縄県のスマートエネルギーアイランド基盤構築事業の一環で、沖縄県と宮古島市のほか、三井物産、宮古テレビ、東芝、沖縄電力、沖縄エネックなどが参加した。

 同事業は、「全島EMS(エネルギー管理システム)実証事業」と「来間島再生可能エネルギー100%自活実証事業」などからなる。

 「全島EMS実証事業」(通称「すまエコプロジェクト」)では、200の住宅、25の事業所、19のポンプ場(農業用地下ダム揚水ポンプ)が参加し、地域エネルギー管理システム(CEMS)を構築した。住宅と事業所にはタブレット端末などで電力消費量を“見える化”(可視化)したうえで、デマンドレスポンス(需要応答:DR)を18回実施した。また、地下ダムの揚水ポンプは、太陽光のピーク発電時間帯に合わせて稼働時間をシフトするなどの運用を実証した。

 「来間島再生可能エネルギー100%自活実証事業」では、宮古島市の来間島内の電力需要を太陽光など再エネだけで賄うことを実証した。来間島は人口約200人で、ピーク電力需要は約200kW。屋根上に合計で380kWの太陽光発電設備を設置し、島内の電力系統に容量176kWhの定置型蓄電池(東芝製のSCiB)を2台導入した。来間島の電力系統は宮古島の系統と繋がっているが、連系線での送受電を最小限に抑える運用を実証した。